スマホの料金プラン選びは、日々の通信費を左右する重要なポイントです。
4/24日に発表されたドコモが提供する「ドコモミニ」と従来のプラン「irumo」は、どちらも低容量ユーザー向けに設計された人気のプランですが、その中身には大きな違いがあります。
この記事では、これから「ドコモミニ」と「irumo」の料金体系、割引制度、そして特典内容の違いについて詳しく比較していきます。
ドコモミニとirumoを比較!違いはどこ?
ドコモミニとirumoは似たような位置づけのプランですが、細かな違いも存在します。
本記事では、ドコモミニとirumoを比較し、それぞれの違いを順に解説していきます。
基本的な違いについて
データ容量の選択肢の違い
ドコモミニ | irumo |
---|---|
4GB | 0.5GB |
10GB | 3GB |
6GB | |
9GB |
データ容量の選択肢に関しては、irumoのほうがより細かいニーズに対応していました。
ドコモミニでは、4GBと10GBの2つから選ぶ仕組みになっており、irumoは0.5GB、3GB、6GB、9GBの4段階となっています。
この違いの理由は、ドコモミニがよりシンプルなプラン構成を目指したためです。
例えば、毎月3GB程度しか使わないライトユーザーであれば、irumoなら3GBプランを選べました。
しかし、ドコモミニでは4GBプランしか選べず、ややオーバースペックとなる可能性があります。
具体的には、irumoの0.5GBプランは「ちょっとだけ使いたい」というニーズに応えていました。
しかし、ドコモミニではこのような細かい調整ができない仕様となっています。
これにより、細かく容量をコントロールしたいユーザーにとっては、選びにくさを感じるかもしれません。
基本料金の価格帯
ドコモミニ | irumo |
---|---|
4GB:2,750円 | 0.5GB:550円 |
10GB:3,850円 | 3GB:2,167円 |
6GB:2,827円 | |
9GB:3,377円 |
基本料金について見ると、ドコモミニは全体的に価格帯が高めに設定されています。
irumoでは、550円という破格の0.5GBプランが存在しましたが、ドコモミニでは最も安い4GBプランで2,750円からのスタートになります。
この価格差が生じた理由は、ドコモ側がより高いデータ利用を促し、1ユーザーあたりの収益性を上げるための戦略と考えられます。
たとえば、irumoの3GBプランは2,167円でしたが、ドコモミニでは4GBで2,750円となっており、単純なデータ容量の差だけでは説明できない価格設定になっています。
さらに、ドコモミニでは割引サービスの充実により実質負担額を下げられる設計になっていますが、それでも初期設定の金額が高めなことは、コスト重視のユーザーにとってデメリットとなるでしょう。
最安プランの有無
ここで注目すべきなのは、ドコモミニには0.5GBという超低価格プランが存在しないことです。
irumoでは、月550円という安価なプランがあり、通話メインやサブ回線需要にぴったりでした。
しかし、ドコモミニではこの超低容量・低価格帯をあえて排除しています。
その理由は、今後のデータ使用量増加を見越し、最低でも4GB程度の使用を想定したプラン設計に切り替えたためと考えられます。
例えば、LINEやメール程度しか使わないユーザーにとっては、550円で済んでいた料金がドコモミニの4GBプランにしてしまうと、一気に2,750円まで跳ね上がるため、コストパフォーマンスの低下を感じるかもしれません。
言い換えれば、今後ドコモブランドを利用する場合は、ある程度データを使う前提で考えた方がよい時代に入ったと言えるでしょう。
ネットワークの対応
ドコモミニはネットワーク面でより現代的な仕様になっています。
ドコモミニは4Gと5Gの両方に対応しており、スマートフォンの性能を最大限に活かした高速通信が可能です。
その理由は、ユーザーの通信環境の質を向上させ、より快適なネット利用体験を提供するためです。
例えば、動画のストリーミング視聴やビデオ通話など、通信速度が重要な場面でも5G対応であればスムーズに利用できます。
一方で、irumoでも5Gに対応していましたが、irumoの0.5GBプランは4G(LTE)のみ対応しており、最新の5Gネットワークを利用することはできませんでした。
しかし、今回の新料金プランから、4Gと5Gの両方に対応したということで、特に5G対応機種を持っているユーザーにとっては、ドコモミニのほうが時代に合った選択肢と言えるでしょう。
ドコモミニとirumoの割引制度の違い
ドコモ光セット割/home 5G割
ドコモミニ | irumo |
---|---|
1,210円割引 | 1,100円割引 |
ドコモ光セット割とhome 5G割は、ドコモミニにもirumoにも適用される割引制度ですが、割引額や条件に若干の違いがあります。
まず、ドコモミニでは、ドコモ光またはhome 5Gを契約している場合、月額料金から1,210円の割引を受けることができます。
これは、かなり大きな金額の割引となっており、ドコモミニの料金を大きく下げる要素となっています。
たとえば、ドコモミニ4GBプラン(基本料金2,750円)の場合、この割引により1,540円まで下がり、さらにdカードお支払割やドコモでんきセット割を組み合わせれば、さらに安くなります。
一方、irumoでは、ドコモ光またはhome 5Gを契約していると、月額料金から1,100円の割引が適用されます。
割引額はドコモミニよりもやや少ないですが、それでも通信費をかなり抑えることができるため、ドコモの固定回線サービスを利用しているユーザーにはメリットが大きいでしょう。
ここで注意したいのは、割引が適用される条件です。
対象となるドコモ光やhome 5Gが同一名義であることや、ファミリー割引グループに含まれていることなど、一定の条件を満たしていないと割引が適用されない場合があります。
このため、事前に自分の契約状況をよく確認しておくことが重要です。
このように、ドコモ光セット割とhome 5G割を活用することで、ドコモミニもirumoも大幅に通信費を下げることが可能になります。
特に、すでにドコモ光やhome 5Gを利用している人にとっては、非常にお得な選択肢となるでしょう。
dカードお支払割額
dカードお支払割に関しては、ドコモミニのほうがより割引額が大きく設定されています。
ドコモminiでは、通常のdカードでも220円の割引が受けられ、dカード GOLD U、dカード GOLD、dカード PLATINUMは550円の割引を受けられるようになっています。
しかし、キャンペーン期間中(終了時期未定)はレギュラーdカードでも550円割引となるため、非常にお得です。
この違いは、ドコモが新プラン利用者に対して、積極的にdカード決済を促しているためです。
例えば、通常ならゴールドカード以上の所有者にしか提供されないような割引を、レギュラーdカード保持者にも広げることで、より多くのユーザーにお得感を感じてもらう狙いがあると考えられます。
一方、irumoではdカードお支払割の割引額は一律187円にとどまっていました。
金額だけを比較すると、ドコモminiの方が実質的な負担を大きく軽減できる仕組みになっています。
よって、特にdカードを持っている人にとっては、ドコモminiのメリットが際立つでしょう。
みんなドコモ割の違い
現在の情報によると「みんなドコモ割」に関しては、irumoとドコモminiで取り扱いに違いがある可能性があります。
irumoは正式に「みんなドコモ割」のカウント対象であり、家族回線全体の割引適用に貢献できました。
この点、ドコモminiについては、カウント対象になるかどうか公式な発表がまだないため、現時点では不明です。
仮に対象外となる場合、家族全体で割引を最大化したい場合に不利になる可能性があります。
また、割引適用自体については、両方のプランとも「みんなドコモ割」による料金割引対象外です。
たとえば、irumoやドコモminiを契約しているだけでは、直接的に料金が安くなるわけではない点は注意が必要です。
このため、家族全体の通信費削減を狙う場合は、他の回線契約状況も合わせて考える必要があります。
ドコモでんきセット割
ドコモミニ | irumo |
---|---|
110円割引 | なし |
ここで大きな違いとなるのが、ドコモminiに新たに導入された「ドコモでんきセット割」です。
この割引により、ドコモでんきを契約している場合、毎月110円がスマホの月額料金から割り引かれます。
この特典が設けられた背景には、ドコモが電気サービスとモバイル回線をセットで使ってもらい、より長期的な顧客基盤を固めようとする意図があります。
例えば、ドコモでんきを契約している家庭なら、手間なく毎月割引を受けられるので、単純な通信費以上にトータルコストを下げる効果が期待できます。
一方、irumoにはこの「ドコモでんきセット割」が存在していなかったため、光回線やホームルーターとのセット割はできても、電気契約による追加的な割引は受けられませんでした。
このため、すでにドコモでんきを利用している人や、今後の契約を検討している人にとっては、ドコモminiを選ぶことでより大きなメリットを得られるでしょう。
ドコモミニ4GB vs irumo3GBに割引を加えて比較
結論から言うと割引を最大限適用した場合、ドコモミニ4GBとirumo3GBは最終的な月額料金が同じ880円になります。
ただ、データ容量やサービス内容には違いがあり、単なる価格だけで比較することはできません。
まず、ドコモミニ4GBの基本料金は2,750円です。
ここにdカードお支払割(最大550円割引)、ドコモ光またはhome5Gセット割(1,210円割引)、ドコモでんきセット割(110円割引)をすべて適用した場合、最終的な負担額は880円になります。
割引 | ドコモmini | irumo |
---|---|---|
dカード割 | 最大550円 | 187円 |
ドコモ光セット割 | 1,210円 | 1,100円 |
でんきセット割 | 110円 | なし |
合計 | 880円 | 880円 |
このプランでは、データ容量が4GBに加え、5Gにも対応し、リアル店舗でのサポートも標準で利用できるメリットがあります。
一方、irumo3GBの基本料金は2,167円です。こちらはdカードお支払割(187円割引)と、ドコモ光またはhome5Gセット割(1,100円割引)を適用することで、最終的に880円となります。
ただし、irumoにはドコモでんきセット割がなく、リアル店舗でのサポートは有料オプションだったため、サポート面や追加特典ではドコモミニに劣る部分もあります。
つまり、最終的な月額料金は同じでも、ドコモミニはより多くのデータ容量とサポートを含んでいるため、トータルのコストパフォーマンスを重視するなら、ドコモミニを選ぶ価値は十分にあるでしょう。
ただし、ドコモでんきやドコモ光などのサービスに加入していない場合は、割引が適用されず、実質負担が変わる点には注意が必要です。
その他の特典など
Amazonプライム特典
現在、ドコモミニには新たな特典として、Amazonプライムの月額会費600円が最大3か月間割引されるサービスが付帯しています。
この特典により、ドコモミニ契約者は追加負担なしでAmazonプライムの各種サービスを楽しむことができます。
この仕組みが導入された背景には、ドコモがスマホ料金だけでなく、日常のエンタメ体験もサポートする姿勢を強めた点が挙げられます。
たとえば、プライムビデオで映画やドラマを見たり、プライムミュージックで音楽を楽しんだりする際に、通常よりもお得に体験できるのは魅力です。
一方、irumoにはこのようなAmazonプライム割引特典は一切ありませんでした。
そのため、普段からAmazonサービスをよく利用している方には、ドコモミニの方が生活全体を豊かにできるメリットが大きいと考えられます。
dポイント付与特典
ここで注目すべきは、ドコモミニが提供するdポイント付与の特典です。
ドコモミニでは上記の3か月間の割引終了後、Amazonプライムに登録を継続している間、毎月120ポイントのdポイントが付与されます。
なぜこのような特典が用意されているかというと、ユーザーの継続的なサービス利用を促す狙いがあるためです。
たとえば、Amazonプライムを利用し続ければ、毎月ちょっとしたご褒美としてdポイントが貯まるので、自然とお得感が積み重なります。
なお、irumoにはこのようなポイント還元施策はありませんでした。
これを考えると、日々のスマホ利用だけでなく、ポイントを貯める楽しみも味わいたい方には、ドコモミニの方がより魅力的な選択肢と言えるでしょう。
ドコモミニとirumoの選び方・プランの見極め方
ドコモミニとirumoは、それぞれ異なるユーザー層を想定して設計されています。
ここではターゲットユーザーの違いと、提供スケジュールの観点からどちらを選ぶべきかを考えていきましょう。
それぞれのプランがターゲットにするユーザー層
結論から言うと、ドコモミニはある程度データを使うユーザー向け、irumoはデータ使用が少ないユーザー向けに作られています。
ドコモミニは4GBまたは10GBといった、今どきのスマホ利用において主流となる容量にフォーカスしているため、動画視聴やSNS利用が日常的な人に適しています。
このような設計になった理由は、近年スマートフォンで消費されるデータ量が増え続けている背景があります。
たとえば、YouTubeで1日30分程度動画を見るだけでも、1か月で数GBは消費します。
これにより、旧来型の超低容量プランでは対応しきれないケースが増えてきたのです。
一方、irumoは、特に0.5GBという超小容量プランを用意していたことから、スマホをほぼ通話専用にしている人や、LINEやメール程度しか使わないライトユーザー向けでした。
よって、データ通信はほとんど必要ないが、ドコモ回線を維持したいというニーズに応えていたのがirumoです。
このように考えると、スマホを積極的に活用する人にはドコモミニが、極力コストを抑えたい人にはirumoがそれぞれ適した選択肢であるといえます。
通信料金を最重視する人に向いているのは?
結論から言うと、通信料金だけを重視するのであれば、irumoの方が有利でした。
irumoには0.5GBで月額550円という超低価格プランが存在しており、コストを極限まで抑えたいユーザーにとって非常に魅力的な選択肢でした。
なぜこのような低価格設定が実現していたかというと、irumoはデータ容量を最小限に抑え、通信サービスを極めてシンプルな形にしていたからです。
例えば、スマホを通話専用やLINEのメッセージ送受信程度にしか使わない人にとって、0.5GBで十分事足りることも多いでしょう。
一方、ドコモミニは最も安いプランでも月額2,750円からとなっており、単純な通信料金の安さではirumoに及びません。
このため、通信費をとにかく削減したい人は、既存のirumo契約を維持するか、irumoの新規受付終了前に契約することが理想的だといえます。
提供開始・終了スケジュールの違い
提供開始と終了のスケジュールも、プラン選びを考えるうえで重要なポイントです。
irumoは2025年6月4日で新規受付を終了し、翌日6月5日からドコモミニが新たにスタートします。
このスケジュールになった理由は、ドコモの料金体系全体を見直し、より統一感のあるプラン構成に再編するためです。
例えば、irumoのように細かく分かれたプランを維持すると、管理や案内が複雑になり、利用者にとっても選択肢がわかりづらくなるリスクがありました。
一方で、現在irumoを契約しているユーザーは、6月5日以降もプランを継続利用できます。
ただし、新たにirumoを申し込むことはできなくなるため、これからドコモの低容量プランを検討する場合は、実質的にドコモミニ一択となります。
このため、今後新たにドコモ回線を契約しようと考えている方は、ドコモミニを前提にプラン選びを進める必要があるでしょう。
ドコモミニはリアル店舗サポートに対応?
結論から言うと、ドコモミニはリアル店舗サポートにしっかり対応しています。
これは、irumoと比較しても大きな違いはありません。
ドコモミニは、ドコモショップをはじめとした実店舗で手続きや相談が可能なため、スマホの契約やプラン変更に不安がある方でも安心して利用できる設計になっています。
その理由は、ドコモミニが通常のドコモブランドのサービス体系に組み込まれており、特別な制約なく従来のサポート網を活用できるからです。
例えば、プランに関する疑問が生じたときや、機種変更の相談をしたい場合でも、全国のドコモショップで直接サポートを受けることができます。
これはオンライン専用プランであるahamoなどとは異なり、窓口対応が前提となっているため、スマホ操作に不安がある人や、対面で相談しながら手続きを進めたい人には非常に心強いポイントです。
この点において、ドコモミニとirumoにはサポート体制の大きな差はありません。
どちらもリアル店舗でのサポートが利用できるため、サポート体制を重視してプランを選びたい場合は、安心してどちらも検討対象に入れることができるでしょう。
ドコモミニとirumoを比較まとめ
ドコモミニとirumoは、ターゲット層や料金体系に大きな違いがあります。
irumoは低価格重視で0.5GBプランなども用意され、通信費を最小限に抑えたい人向けでした。
一方、ドコモミニは4GB・10GBの選択肢を用意し、5G対応やリアル店舗サポートなど利便性を高めています。
さらに、Amazonプライム特典やdポイント付与など、付加価値も強化されています。
料金重視ならirumo、使いやすさや安心感を求めるならドコモミニと、利用スタイルに合わせた選択が大切です。