外出先でスマートフォンやタブレットを充電するのに欠かせないモバイルバッテリー。
もしこれを誰かに送る必要が出てきた場合、「レターパックで送っても大丈夫なのか?」と不安に思う方もいるのではないでしょうか。
配送手段としてレターパックは便利ですが、モバイルバッテリーのような電池を含む製品には特別なルールが存在します。
この記事では、モバイルバッテリーをレターパックで送れるのかどうかに加え、ゆうパックとの違い、そして安全かつ正確に発送するための方法について詳しく解説していきます。
レターパックでモバイルバッテリーは送れるのか?
モバイルバッテリーは手軽に使える反面、送る際にはさまざまな注意点がありますが、実際にレターパックで送ることは可能です。
しかし、いくつかの条件や注意点を正しく理解する必要があります。
レターパックライト・プラスの違いと選び方
結論から言えば、モバイルバッテリーの発送に適しているのは、レターパックプラスやライトどちらでも構いません。
但し、レターパックライトには厚さ制限があるため、場合によってはサイズオーバーになる可能性もあります。
レターパックライトは、ポスト投函型で受け取り側の不在でも配達可能ですが、厚さ3cmまでの制限があるため、収納できる製品が限られます。
最近のモバイルバッテリーなどは問題ないでしょうけど、大きいモバイルバッテリーだった場合、厚さをオーバーしてしまう恐れもあります。
一方、レターパックプラスは厚さ制限がなく、手渡しでの配達になるため安心感があります。
また、追跡サービスにも対応しており、発送後のトラブルが起きにくいという点でも信頼性が高いです。
したがって、サイズや形状に関係なく確実に送るなら、レターパックプラスを選ぶのが安全といえるでしょう。
レターパック利用時の注意点と記載ルール
レターパックでモバイルバッテリーを送る際には、「品名の記載」が非常に重要です。
誤った記載や未記入のまま投函してしまうと、郵便局側で内容物を特定できず、航空便に回される可能性が出てきます。
リチウム電池を含むバッテリーは航空輸送が禁止されているため、配送先によってはX線検査で止められてしまいます。
そのため、品名欄には「モバイルバッテリー(リチウム電池あり)」と明確に書く必要があります。
さらに、商品が破損しないよう十分な梱包を行い、端子部分が外部と接触しないように絶縁処理を施すことも忘れてはなりません。
特に返品対応などでバッテリー単体を送る際には、最小限の簡易梱包に頼らず、安全性を確保した梱包を心がけてください。
このような対応をしておくことで、郵便局側の判断もスムーズになり、トラブルの回避につながります。
配送の遅延リスクとその理由
レターパックでモバイルバッテリーを送るとき、もっとも理解しておきたいのが「通常より配達が遅れる可能性がある」という点です。
この理由は、リチウムイオン電池が航空危険物に該当し、航空輸送が認められていないためです。
具体的には、航空搭載が必要な地域(沖縄や離島など)に発送する場合、本来であれば飛行機で送られるルートが、陸路や船便へと自動的に変更されます。
この振り替えにより、到着までに1日から4日ほど遅れることもあります。
また、配送中に中身が検査で引っかかれば、さらに手続きが増え、再確認の連絡が入るケースもあるため、余裕を持ったスケジュールで発送することが重要です。
よって、早急な配達を求めるケースでは、レターパックよりもゆうパックや他の宅配便の利用を検討するほうが適していると言えるでしょう。
ゆうパックでモバイルバッテリーを送る場合の正しい方法
ゆうパックを利用すれば、モバイルバッテリーを航空便で送ることも可能です。
ただし、正しい梱包や表示が欠かせません。
送る場合に必要な梱包と表示
ゆうパックでモバイルバッテリーを発送する際には、まず頑丈な箱に梱包することが前提となります。
封筒や紙袋のような柔らかい包装では、万が一の衝撃に耐えられず、内容物の破損や発火リスクを高めてしまいます。
梱包の中では、バッテリーが動かないように固定し、できれば緩衝材で覆うとより安全です。
次に必要なのが、外装へのラベル貼付です。
郵便局が定める「リチウム電池取扱ラベル」を入手し、必要事項を記入したうえで荷物の外側にしっかりと貼り付けましょう。
さらに、送り状の郵送品名欄には「モバイルバッテリー(リチウム電池内蔵)」などと、内容物が明確に分かるように記載することが大切です。
この記載がない場合、航空輸送の可否判断ができず、荷物が滞留したり返送されたりする可能性もあります。
ゆうパックを安全に利用するためには、これらの手順を丁寧に行うことが求められます。
リチウム電池を含む荷物の航空輸送条件とは?
ゆうパックでリチウム電池を航空輸送するには、一定の基準を満たすことが条件になります。
なかでも重要なのが「ワット時定格量(Wh)」と「電池の個数」です。
100Wh以下のバッテリーであれば基本的に輸送可能ですが、それを超える場合は制限や追加手続きが必要です。
また、電池が機器に内蔵されているかどうかも判断基準に含まれます。
モバイルバッテリーのように電池単体とみなされるものは、より慎重な対応が求められます。
このとき、リチウム電池マークを貼り付け、電池の容量や個数が基準内であることを確認しておく必要があります。
さらに、内容物が航空輸送に適していると判断されれば、通常の輸送ルートで問題なく届けられます。
ですが、少しでも条件に合致していなければ、航空便ではなく陸送に切り替えられたり、最悪の場合は引き受けを拒否されることもあります。
したがって、発送前に郵便局の窓口で相談するのが安心です。
ゆうパックならではのメリットとデメリット
ゆうパックでモバイルバッテリーを送る最大のメリットは、正しく手続きすれば航空輸送が可能になるという点です。
これにより、遠方でも比較的短期間で荷物を届けることができます。
その上、損害補償や追跡サービスも備わっているため、配送中のトラブルにも対応しやすい体制が整っています。
特に法人や販売業者にとっては、信頼性の高い配送手段といえるでしょう。
その反面、注意すべき点もあります。まず、手続きがやや複雑であり、専用ラベルの入手や記入、梱包方法の確認など、利用者側にある程度の知識と準備が求められます。
さらに、料金はレターパックよりも高くなることが多く、コスト重視の発送には向かない場合もあります。
これらの特徴を踏まえたうえで、ゆうパックを選ぶかどうかを検討することが重要です。
配送スピードを重視するのであれば、多少の手間をかけてでもゆうパックを選ぶ価値は十分にあるでしょう。
そもそもなぜ配送に制限があるのか?
結論から言うと、モバイルバッテリーは「リチウムイオン電池」が含まれているため、配送には制限があります。
リチウムイオン電池は高いエネルギー密度を持っている反面、衝撃や過充電によって発火や爆発のリスクがあることが知られています。
そのため、各配送業者は安全性を確保する目的で、配送手段や梱包方法に厳格なルールを定めています。
とくに航空輸送の場合、事故の影響が重大になることから、より厳しい基準が設けられています。
例えば、スマートフォンのようにリチウム電池を内蔵した機器でも、航空便で輸送するには特定の条件を満たす必要があります。
モバイルバッテリーはその電池が「単体」と見なされるため、さらに取り扱いに注意が必要です。
このように、発火リスクという特性を踏まえて安全対策が求められていることから、モバイルバッテリーの配送には一定の制限がかかっているのです。
どっちを選ぶ?レターパックとゆうパックの使い分けガイド
モバイルバッテリーを発送する際は、目的や状況に応じて配送方法を選ぶことが大切です。
ここではコスト・スピード・業務用途それぞれの視点から見ていきましょう。
安さ重視なら?利便性を取るなら?
費用を抑えたいときは、レターパックの方が有利です。
全国一律料金で、封筒型の梱包資材も付属しているため、発送にかかるコストが明確で手軽さがあります。
自宅にあるポストから投函できるため、わざわざ窓口に出向く必要もありません。
その一方で、利便性という点で優れているのはゆうパックです。
サイズや重量の制限が少なく、送り状やラベルの種類が豊富に用意されているため、さまざまな荷物に柔軟に対応できます。
自宅まで集荷に来てもらえる点も、忙しい方には助かるポイントです。
ただし、モバイルバッテリーのように航空輸送に注意が必要な品目では、レターパックは自動的に陸送になってしまいます。
そのため、内容物や目的地によって、どちらが本当に「便利」なのかは慎重に判断する必要があります。
急ぎの荷物はどちらが最適か?
スピード重視であれば、条件を満たしたうえでゆうパックを選ぶのが最適です。
ゆうパックでは、リチウム電池に関するルールをクリアしていれば航空便として扱われるため、遠方であっても早く届けることが可能です。
一方、レターパックは基本的に速達扱いではありますが、モバイルバッテリーのような危険物が含まれる荷物は航空機に載せることができません。
そのため、発送区間によっては陸送に切り替えられ、配達までに1日以上遅れることがあります。
このため、到着日が明確に決まっている、あるいは少しでも早く届けたい荷物を送る場合には、航空輸送対応が可能なゆうパックを活用することが望ましいでしょう。
ただし、その際には、事前の申告や正しいラベルの貼付が欠かせません。
法人利用で注意すべきポイントとは?
法人がモバイルバッテリーを配送する場合、コスト・スピードに加えて「信頼性」と「運用のしやすさ」も考慮すべきです。
特に返品や自主回収といった業務で多く利用されるケースでは、対応の効率化が鍵となります。
前述の通り、レターパックは個人にも使いやすい一方で、法人が大量に使う場合は紛失や遅延リスクへの備えが求められます。
補償がないため、高価な製品や重要なサンプルを送るには不向きです。
これに対し、ゆうパックは損害補償や配達証明、着払いなど法人向けのオプションが充実しています。
そのため、業務での信頼性を重視するのであれば、多少手間がかかってもゆうパックを選ぶ方が安全です。
ただし、中小規模の事業者が安易にレターパックでのバッテリー送付を行うと、郵便局で受付を断られる可能性もあります。
必ず、社内での運用ルールを定め、郵便局側とも事前に協議をしておくことが重要です。
安全とコンプライアンスの両立が、法人利用の成功につながると言えるでしょう。
モバイルバッテリーはレターパックで送れる?まとめ
モバイルバッテリーを送る際は、配送方法によって注意点が大きく異なります。
レターパックは一律料金で手軽に使えますが、リチウム電池を含むため航空便には載せられず、陸送扱いとなり配達が遅れることがあります。
一方、ゆうパックは条件を満たせば航空輸送が可能で、迅速な配送が期待できます。
ただし、梱包や表示のルールが厳格であり、専用ラベルの貼付や内容物の正確な記載が必要です。
特に法人利用では、安全性と信頼性を重視し、適切な運用が求められます。
コスト・利便性・スピードのバランスを考慮し、内容物や目的地に応じて最適な手段を選びましょう。