スマホの画面に「5G」と表示されているのに、なぜか通信が遅い、あるいはそもそも5Gに繋がらない…。
そんな違和感を覚えたことはありませんか?
特にドコモの料金プラン「irumo」を利用している方からは、「5Gに対応しているはずなのにスピードが出ない」といった声も聞かれます。
本記事では、そうした疑問に対して「なぜ5G通信がうまくいかないのか?」という原因をひとつずつ紐解きながら、具体的な対処法までわかりやすくご紹介していきます。
irumoで5G通信にならないのはなぜ?
irumoを使っているのに5Gにつながらない理由は、ひとつではありませんので、主な原因をご紹介します。
0.5GBプランは実は5G非対応!
実は、irumoの0.5GBプランでは5G通信を利用することができません。
これはプラン設計上の仕様であり、ユーザーの設定ミスや端末の不具合によるものではないのです。
その理由は、0.5GBプランが極端に低価格であることにあります。
ドコモではこのプランを「必要最低限のデータ通信と通話ができればいい」というライトユーザー向けに設計しており、高速な5G通信を前提にしていません。
たとえ端末の画面に「5G」のアイコンが表示されたとしても、実際に利用されている通信は4G(LTE)であり、最大通信速度も3Mbpsに制限されています。
例えば、動画を見ようとしても読み込みに時間がかかったり、画質が自動で低くなったりすることがあります。
こうした挙動は、通信速度そのものが抑えられていることに起因しています。
このように考えると、5Gを快適に使いたい場合は0.5GBプランを選ばないことが前提条件となります。
より上位の3GB以上のプランに切り替えることで、5G接続の土台が整うのです。
5Gエリア外やエリア内でも繋がらない場所がある
仮にirumoで3GB以上のプランを利用していても「なぜか5Gに繋がらない」と感じることがあります。
その背景には、利用している場所の通信エリア状況が大きく関係しています。
5Gの電波が届かない場所にいれば、当然ながら5G通信は利用できません。
正確な情報を得るには、ドコモ公式サイトの「サービスエリアマップ」で自分の利用場所が5G対応かどうかを確認することが大切です。
地図上で対応エリアになっていない場合は、4G通信になるのが自然な挙動ですので、慌てずに状況を見極めましょう。
これは一見当たり前のように思えることですが、意外と見落とされやすいポイントでもあります。
ドコモの5Gネットワークは全国的に広がりつつあるものの、まだ全域をカバーしているわけではありません。
地下施設などでは、5Gの電波が届きにくいことがよくあります。
これには電波の特性が関係しており、特に高速通信を実現するミリ波と呼ばれる5G電波は、直進性が高く、壁や建物の影響を強く受けるという特徴があります。
この場合、表示上は5Gに繋がっているように見えても、実際には通信速度が極端に落ちてしまうことがあるのです。
さらに、5Gと一口に言っても、その中には到達範囲が広い周波数帯と、都市部のような限定された範囲にしか届かない高周波帯があります。
ドコモでは両方の方式を使っていますが、全地域が均等にカバーされているわけではありません。
つまり、場所や時間によって5G通信の品質が大きく左右されるという点を、ユーザーとしてはあらかじめ理解しておく必要があります。
正しいプランを選んでいても、常に快適な5G通信が得られるとは限らないのです。
使っているスマホが5G非対応
いくらエリアやプランが5Gに対応していても、使用しているスマートフォン自体が5Gに対応していなければ、当然ながら5G通信は利用できません。
これは見落とされがちなポイントですが、非常に重要です。
特に注意が必要なのは、SIMフリー端末や海外モデルを利用しているケースです。
こうした端末の中には「5G対応」とうたっていても、日本国内の特定の通信キャリアが使用する周波数帯に対応していないことがあります。
つまり、技術的には5Gが使えるスマホであっても、ドコモの5G網には繋がらないということが起こるのです。
例えば、ドコモが採用しているn78やn79といった周波数に未対応の端末では、5G表示が出ない、あるいは表示されても実際は4Gで通信しているというケースがよく見られます。
このため、端末が本当に自分の契約している通信事業者の5Gに対応しているかを、購入前や利用開始前にしっかり確認する必要があります。
機種名で公式サイトを調べるか、ドコモが公開している「対応端末一覧」を確認するのが確実な方法です。
どれだけ良いプランやエリアであっても、スマホの対応が不十分ではその恩恵を受けられません。
ここを見落とすと、原因不明のまま5Gが使えない状況に陥ってしまいます。
SIMカードに問題があるケース
スマートフォンと通信回線をつなぐSIMカードは、実は非常に繊細な役割を担っています。
見た目には問題がなさそうでも、5Gに繋がらない原因がSIMカードにあることは少なくありません。
まず、古いSIMカードをそのまま使っている場合、5Gに必要な情報が書き込まれていない可能性があります。
特に、4Gまでしか想定していない古いタイプのSIMでは、5Gエリア内にいても通信がうまく切り替わらないことがあります。
表面的には問題がなくても、実際には5Gの認証が通らないため、端末が自動的に4Gに接続してしまうのです。
また、物理的な不具合も無視できません。
例えば、SIMカードの接点部分にホコリや汚れが付着していたり、抜き差しを繰り返したことで端子にゆるみが生じたりしていると、通信が不安定になる原因となります。
さらに、eSIMを利用している場合には、プロファイルのダウンロードや設定が不完全だと、正常に接続できないケースもあります。
このような問題が疑われるときは、一度SIMカードを抜いて軽く拭き取り、再挿入してみるだけでも改善することがあります。
それでも不安定な場合は、ドコモショップやオンラインでSIMの再発行を申し込むことも選択肢の一つです。
どうしてもダメならドコモに相談
ここまでの対処をすべて試しても、どうしても5Gに繋がらない、速度が改善しないという場合には、自力での解決が難しい可能性があります。
そのようなときは、早めにドコモのサポートへ相談するのが賢明です。
ドコモには「irumo」専用の問い合わせ窓口が用意されており、プランの確認や通信状況、端末との相性などについて具体的にサポートを受けることができます。
eSIMを利用している方や、プラン変更後に不具合が発生した場合には、SIMの再発行や設定の見直しが必要となることもあるため、専門スタッフによる確認が安心です。
サポートに連絡する際は、現在のプラン名、使用している端末の機種、問題が起きている場所や時間帯、これまでに試した対処方法などを整理しておくと、スムーズに対応してもらえます。
こうした専門窓口の存在は、利用者にとって大きな安心材料です。
何をしても解決しないと感じたときは、一人で悩まず、プロのサポートに頼ることが最善の方法といえるでしょう。
irumoで5Gが表示されるのに遅い原因
スマホの画面上に「5G」と表示されているのに、通信速度が遅いと感じることはありませんか?
このような場合、実は見た目と実際の通信状況が違うこともありますので、この原因について解説します。
5G表示が5G通信中とは限らない
スマートフォンの画面に「5G」と表示されているからといって、実際に5Gの速度や通信品質を享受できているとは限りません。
これは、表示の仕組みと実際の通信モードが異なるケースがあるためです。
その理由は、スマホのOSや端末の仕様によって、通信が一時的に4Gに切り替わっている状態でも、5G表示がそのまま残ることがあるからです。
つまり、接続状態をリアルタイムで細かく反映しているわけではないため、ユーザーが「今5Gで通信している」と思っていても、実際には4G回線に落ちていることがあります。
例えば、5Gエリア内であっても建物の影や電波干渉の影響で、通信が自動的に4Gに切り替わることは珍しくありません。
このとき、スマホのステータスバーには5Gと表示されたままであっても、速度は4G相当になってしまうため、体感的に「繋がっていない」と感じるのです。
このような表示の曖昧さは、5Gが広まり始めた現在でも完全に解消されていません。
体感速度を確かめたいときは、速度テストアプリを利用することで、表示に惑わされず、実際の通信状態を確認することができます。
ネットワーク混雑でスピード制限される仕組みとは
5Gのエリア内にいて、表示も5Gなのに速度が出ない…そんなときは、ネットワークの混雑による速度制限がかかっている可能性があります。
これは通信回線を多数の人が同時に利用することで発生する現象です。
その理由として、キャリア側が回線の公平な利用を保つために「トラフィックコントロール」と呼ばれる仕組みを導入していることが挙げられます。
混雑時には、特定のプランやユーザーに対して通信の優先度を調整し、全体の安定性を保つようになっているのです。
例えば、ドコモのirumoでは、上位プランのahamoやeximoよりも優先順位が低く設定されているため、混雑時にまず制限を受ける対象になりやすいという特徴があります。
結果として、速度が落ちたり、読み込みが遅くなったりといった影響を受けやすくなるのです。
このような仕様は、全ユーザーに快適な通信環境を提供するために設けられているものであり、ユーザー自身の操作では回避できません。
したがって、利用時間を変える、あるいは上位プランに変更するといった工夫が必要になることもあります。
パケ詰まりと呼ばれる現象の正体
通信ができているはずなのに、なぜか読み込みが極端に遅い、あるいは一切進まない…。
そんなときに疑われるのが「パケ詰まり」と呼ばれる状態です。
これは、通信回線が完全に止まっているわけではないのに、データの流れが異常に悪くなる現象を指します。
原因は複数ありますが、代表的な要因としては、基地局への接続数の増加によって、端末が物理的には繋がっていても実質的な通信帯域を確保できていないことが考えられます。
とくに人口密集地やイベント会場のように、短時間で多数の人がスマホを使う場面では、この現象が顕著に現れます。
このとき、スマホのアンテナは正常で、表示も5Gのままにもかかわらず、アプリが固まるように感じたり、動画が途切れたりといった症状が起きます。
これは端末がデータを送受信できる状態にありながら、ネットワーク側で処理が追いついていないためです。
一度パケ詰まりが起こると、しばらくは端末側の操作では改善が難しい場合もあります。
そのようなときは、一度機内モードをオン・オフしたり、再起動してネットワークをリセットすることで、改善するケースがあります。
このように、見た目に反して実際の通信が行われていないことがあるという点は、5G時代においてもなお注意すべきポイントだといえるでしょう。
irumoではなくスマホの設定ミスの場合
通信トラブルの原因が端末の設定に隠れていることは少なくありません。
特に5G接続に影響する設定項目に絞って見直しポイントを紹介します。
ネットワーク設定で「5G優先」になってる?
まず確認すべきなのは、スマートフォンのネットワーク設定です。
どんなに高性能な端末やエリア環境が整っていても、設定が正しくなければ5Gには接続されません。
その中でも「優先ネットワークの種類」の設定が重要です。
これが「4Gのみ」や「LTE優先」になっていると、5Gの電波をキャッチできる場所でも、端末は自動的に4Gを使い続けてしまいます。
つまり、5Gに対応しているはずの環境がまったく活かされないのです。
設定を確認するには、iPhoneであれば「モバイル通信」の中の「通信のオプション」から「音声通話とデータ」を開き「5Gオン」や「5Gオート」を選択します。
Androidの場合は、メーカーによって表記は異なりますが、「ネットワークモード」などから「5Gを含むモード」が選ばれているかをチェックしてください。
一見すると些細な設定に見えるかもしれませんが、ここが誤っているとどんなに他の条件を整えても5Gには繋がりません。
通信速度に不満を感じているなら、最初に確認しておきたい設定のひとつです。
VoLTEやAPNの設定をチェックしよう
ネットワーク設定と並んで見直すべきなのが、VoLTEとAPNの設定です。
これらは端末が正常にキャリアのネットワークへ接続するために不可欠な要素であり、どちらかが正しく設定されていないと、通信そのものが不安定になることがあります。
VoLTEは、高品質な音声通話を実現する技術であり、5Gや4Gと同時に使われることが多いため、設定が無効になっていると接続に支障が出る場合があります。
特に海外からの端末や、設定を初期化した直後のスマホではVoLTEがオフになっていることもあるため、一度確認してみる価値があります。
一方、APN(アクセスポイント名)は、スマートフォンが通信事業者のネットワークに正しく接続するための「入口」とも言える情報です。
乗り換えたばかりの端末や、SIMフリー機を使っている場合、APNが自動で設定されないこともあるため、手動で入力が必要になることがあります。
これらの設定は、スマホ初心者にはやや難しく感じられるかもしれませんが、各キャリアが設定方法を公式に案内しているため、それに従えば問題なく完了します。
設定を一度見直すだけで、劇的に接続が安定することもあるため、通信トラブルに悩んでいる方にはぜひ確認していただきたい項目です。
eSIMユーザーにありがちな罠とは
近年増えているeSIMユーザーにも、特有の落とし穴があります。
物理SIMと違い、eSIMはスマホに組み込まれたデジタルSIMを使う仕組みですが、その分、プロファイルの設定やアクティベーションに問題が発生しやすい傾向があります。
たとえば、プラン変更や機種変更をした際、eSIMの再アクティベーションを行わずにそのまま使い続けると、以前の設定が残っていて5G通信に対応していない場合があります。
これは物理SIMと違い、ユーザーが設定情報の存在を目にする機会が少ないため、気づかないままトラブルの原因になっていることが多いのです。
また、eSIMは端末ごとに設定方法が異なるうえ、一部のスマートフォンではeSIMの5G通信が制限されていることもあります。
そのため、問題が起きたときは、再度プロファイルを削除して入れ直す、またはキャリアのサポートに問い合わせて再発行してもらうのが確実です。
このように、eSIMは便利な技術である一方で、見えにくいトラブルを抱えやすい側面も持ち合わせています。
5Gが使えないとき、設定に問題がなさそうであれば、eSIMの状態を確認することも重要なポイントです。
他キャリアと比べてドコモの5Gはどう?
ドコモの5Gに満足できないと感じたとき、他社との違いが気になる方も多いと思いますので、エリアや品質の観点から主要キャリアとの比較を見ていきます。
au・ソフトバンク・楽天とのエリア比較
5Gの使いやすさを考えるうえで、まず注目すべきはエリアの広さです。
全国どこでも安定して5Gが使えるかどうかは、キャリアごとにかなり違いがあります。
ドコモは長年のインフラ整備を活かし、他社に先んじて地方部や郊外にも5Gを展開してきた実績があります。
これにより、都市部だけでなく、日常生活のあらゆる場所で5Gに接続できる機会が多いという特徴があります。
また、ソフトバンクやauもエリア拡大を進めていますが、その展開のスピードや重点エリアには違いがあります。
特にソフトバンクは、都市部中心のエリア構築を進めており、人が集まりやすい駅や商業施設周辺では強さを見せています。
auも幅広いエリアに対応しつつ、独自の通信最適化技術を取り入れている点が評価されています。
一方、楽天モバイルは新興キャリアということもあり、現時点ではカバーエリアが限定的で、ドコモやauと比較するとまだ発展途上の段階です。
このように、居住地や行動範囲によって「最も繋がりやすいキャリア」は異なります。
自宅周辺だけでなく、通勤経路や旅行先での使い勝手も視野に入れて判断することが重要です。
人口カバー率と地理的カバー率の違い
エリアの比較をする際には、「人口カバー率」と「地理的カバー率」という、似て非なる指標に注目する必要があります。
どちらもエリアの広さを示すものですが、意味するところがまったく異なります。
人口カバー率とは、全国の人口のうち、どれだけの人が5Gエリア内に住んでいるかを示す指標です。
都市部を中心にエリア展開を行えば、高い数値を出すことが可能です。
そのため、楽天モバイルのように都市部集中型の展開をしているキャリアは、人口カバー率では高い数字を打ち出せるのです。
しかし、地理的カバー率は全国の面積の中で5Gが届いている範囲を表します。
こちらの数値が高ければ、山間部や海沿いなど、都市部以外でも5Gが利用できることを意味します。
ドコモはこの地理的カバー率に強みを持ち、他社よりも広い範囲に通信網を張り巡らせているといわれています。
つまり、「人口カバー率が高い=全国どこでも使える」というわけではなく、地域によっては使えない場所も多く存在することを理解しておく必要があります。
利用する場所が都市部か地方かによって、選ぶべきキャリアの傾向も変わってくるでしょう。
通信品質で選ぶならどこがベスト?
最終的に、ユーザーが最も重視するのは「速くて安定した通信ができるかどうか」ではないでしょうか。
通信品質の良し悪しは、単にエリアの広さだけでなく、回線の混雑状況や優先制御の仕組みにも影響されます。
ドコモは総じて安定した通信品質を提供していますが、混雑する時間帯や場所ではirumoなどの低価格プランが速度制限の対象になるため、体感速度に差が出ることがあります。
その一方で、auやソフトバンクは、都市部における高速通信に強みを持ち、特に動画視聴やゲームなど大容量のデータ通信では高い満足度を得やすい傾向にあります。
楽天モバイルは、データ無制限プランなど料金面では魅力がありますが、自社回線での通信品質が安定しないという声も多く、特に地方部では他社回線へのローミングに依存する場面も少なくありません。
結論として、通信品質を第一に考えるのであれば、安定性と実績のあるドコモやau、ソフトバンクが有力な選択肢となります。
ただし、利用環境や料金とのバランスも考慮し、自分の生活スタイルに最も合ったキャリアを選ぶことが満足度を高めるカギとなるでしょう。
irumoで5G通信にならない理由まとめ
irumoで5Gが繋がらない原因は、プランや端末、設定、エリア状況など多岐にわたります。
中でも0.5GBプランは仕様上5G非対応であり、たとえ5G表示が出ていても通信は4Gに限定されます。
加えて、ネットワーク設定やAPN、eSIMの状態によっても接続に影響が出ることがあります。
さらに、エリアマップ通りでも建物の構造や時間帯によって通信品質が大きく変わることも珍しくありません。
他社と比較すると、ドコモは地理的カバー率に優れますが、混雑時には速度制限がかかる場合もあります。
正しく5Gを使うには、利用環境とプラン、端末の相性を見極め、必要に応じて設定を見直すことが大切です。