スマホの料金を見直したいと考えている方にとって、楽天モバイルは魅力的な選択肢のひとつです。
中でもiPhoneとの組み合わせを検討している方は多いでしょう。
ですが、契約前に知っておきたい注意点がいくつか存在するのも事実です。
iPhoneとの相性など事前に理解しておかないと「思っていたのと違う」と感じてしまうかもしれません。
この記事では、楽天モバイルでiPhoneを使う際のデメリットや、契約前に押さえておきたいポイントをわかりやすくご紹介していきます。
楽天モバイルでiPhoneを使うデメリットはある?
楽天リンクの使い勝手が悪い
楽天モバイルでは、通話料金を無料にできる楽天リンクの利用が推奨されています。
iPhoneでもこのアプリは使用可能ですが、Androidとは異なり一部で思わぬ注意点があります。
特に問題となるのが、iOSの仕様上、着信時に標準の電話アプリが優先されることです。
つまり、相手が楽天リンクを使っていない場合や、iPhoneがスリープ状態のときなどは、楽天リンクではなく標準アプリで着信してしまうケースがあります。
この着信自体に料金は発生しませんが、問題はその後の「折り返し発信」にあります。
多くのユーザーは、履歴からそのまま相手に電話をかけ直す傾向がありますが、iPhoneの履歴から発信すると標準アプリが使われるため、楽天リンクを経由しない通常の発信になってしまいます。
この場合、30秒あたり22円(税込)の通話料がかかります。
つまり、着信自体は無料でも、折り返しで通話料が発生してしまうという構造が落とし穴になるのです。
無料通話を確実に使いたい場合は、着信履歴ではなく、Rakuten Linkアプリを手動で起動して発信する必要があります。
このような仕様を理解していないと、思わぬコストがかかるため注意が必要です。
古いiPhoneでは機能制限が多い
楽天モバイルをiPhoneで使う場合、すべての機種が同じように快適に使えるわけではありません。
特に、iPhone 6s以前の古いモデルは、楽天モバイルの動作対象外とされており、そもそも正常に動作しない可能性があります。
さらに、iPhone X以前の機種では、楽天の自社回線とauのローミング回線を自動で切り替える機能が上手く動作しないケースがあり、通信が不安定になるリスクが高まります。
このような問題が起こると、通話やデータ通信が思うように使えず、ストレスを感じる場面も増えるでしょう。
快適に楽天モバイルを利用するには、比較的新しいモデルを選ぶことが前提になります。
SMS送信時に思わぬコストがかかることも
楽天リンクを使えば、原則としてSMSも無料で送れるというのが楽天モバイルの特長です。
ただし、iPhoneではこの仕組みが完全には適用されないため、注意が必要です。
具体的には、送信相手も楽天リンクを使用している場合でなければ、SMSはiOS標準のメッセージアプリで送信される仕様になっています。
このとき、全角70文字あたり3.3円の料金が発生するため、知らずに複数回送ってしまうと意外と高額になることもあります。
もちろん、楽天リンク同士だと無料でSMS送信が可能です。
SMSで認証コードをやり取りするようなサービスを頻繁に利用している人は、無意識のうちにコストが膨らむリスクがあるため、送信時にはアプリの切り替えを意識することが大切です。
データ通信量の上限管理が手動で必要な理由
楽天モバイルの料金プランは、使ったデータ量に応じて料金が段階的に上がっていく仕組みです。
このため、月間3GB以内に収めれば1,078円で済みますが、それをわずかに超えただけで一気に2,178円になることがあります。
ところが、iPhoneにはAndroid端末にあるようなデータ使用量の自動通知や制限機能が搭載されていません。
その結果、ユーザー自身が常に「my 楽天モバイル」アプリを使って手動で使用量を確認しない限り、どれだけ使ったかを把握しにくいのが現状です。
例えば、動画を数本見ただけで3GBを簡単に超えてしまうことがあるため、料金を抑えたいと考えている人ほど日々の管理が欠かせません。
無意識のうちにプランの上限を超えてしまい、予期しない出費に繋がるリスクがあるため、定期的な確認と通信制限の意識が必要です。
iPhoneを楽天モバイルで購入するデメリットはある?
楽天モバイルでiPhoneを手に入れる方法にはいくつかの選択肢があり、それぞれ費用や条件が異なりますが、デメリットはあるのでしょうか?
買い替え超トクプログラムの仕組みと注意点
楽天モバイルが提供する「買い替え超トクプログラム」は、48回払いを前提にした端末購入プランです。
この仕組みでは、25ヶ月目以降に端末を返却すれば、残りの支払いが免除されるため、実質的な負担額が半分近くになることもあります。
魅力的に見えるこの制度ですが、いくつかデメリットがあります。
まず、支払いには楽天カードの登録が必須ですので、楽天カードを持っていない方は購入することが出来ません。
また、端末を返却する際には、破損や不具合があると22,000円の故障費用が別途かかることがあります。
さらに、返却時には3,300円の手数料も発生するため、実際のコストは想定より高くなる可能性もあります。
このように、見た目のお得さに目を奪われず、返却時の条件や発生しうる追加費用のデメリットについてもきちんと理解しておく必要があります。
買い替え超トクプログラムで買うのはお得?
たとえば、iPhone 16(128GB)の分割総額は141,700円ですが、25カ月目に端末を返却すれば、支払いは70,848円に減額され、ここに手数料3,300円を加えても、実質負担額は74,148円となります。
これに加えて、楽天モバイルでは「三木谷キャンペーン」などの大型ポイント還元施策が定期的に実施されており、条件を満たせば最大で20,000ポイント以上の楽天ポイントが進呈されることがあります。
このポイントを実質的な値引きと考えると、実質負担額は5万円台にまで下がる可能性があり、他キャリアの残価プログラムに匹敵するコストパフォーマンスを実現できます。
ドコモでは同様の「いつでもカエドキプログラム」を通じて、MNP(乗り換え)での実質負担額を1,210円まで抑えられるケースがありますが、これはMNP契約限定で、機種変更では4万円近くまで上がります。
auの「スマホトクするプログラム」もMNP限定で47円という実質負担額を提示していますが、他の条件次第でこの金額は変動します。
ソフトバンクも同様に25,000円前後の実質負担になることが多いですが、こちらも乗り換え前提の価格設定であることが多く、注意が必要です。
よって、買い替え超トクプログラムに楽天独自のキャンペーンを組み合わせることで、楽天モバイルでのiPhone購入は他キャリアと比べても魅力的な価格になります。
ただし、返却タイミングや端末状態の管理、ポイントの使い方などを事前にしっかり把握しておくことが、後悔しないためのカギとなります。
実質負担額だけで判断してはいけない理由
よく「実質0円」や「半額以下」といった広告を見かけますが、そうした表示だけで端末購入を決めるのはリスクを伴います。
実質負担額とは、あくまで返却前提やポイント還元など、特定条件を満たした場合にのみ適用される計算であることが多く、必ずしも全員がその条件に該当するわけではありません。
仮に端末を返却せず使い続けた場合、残りの支払いをすべて負担する必要があり、最終的な支払い総額は通常の分割購入と変わらなくなってしまいます。
さらに、返却時の端末状態によっては、想定外の費用が発生する可能性も考えられます。
このため、目先の「実質価格」に惑わされず、プログラムの全体像や将来的な使用計画を踏まえたうえで、本当に納得できる購入方法を選ぶことが重要です。
楽天モバイルの料金プランの実情やサポート体制
データ使用量によっては割高になる?
楽天モバイルの「Rakuten最強プラン」は、月々のデータ使用量に応じて料金が段階的に変わる仕組みを採用しています。
3GB以下であれば月額1,078円と非常に安価ですが、4GBに達した瞬間に2,178円へと料金が跳ね上がります。
この価格は、実は他社の中容量プランと比べて割高になるケースもあり得ます。
つまり、普段は動画視聴やSNS利用が中心で、データ使用量が4~10GB前後の人にとっては、かえってコストパフォーマンスが悪くなる可能性があるのです。
そのため、料金面だけで選ぶのではなく、自分が毎月どのくらいの通信量を使っているのかを把握した上でプランの向き不向きを判断する必要があります。
無制限プランでも速度に注意が必要なケース
楽天モバイルの強みのひとつに、データ通信が無制限で利用できる点が挙げられます。ただし、これは常に安定した高速通信が保証されているわけではありません。
利用者の多い時間帯や、通信が集中する場所では、ネットワークに負荷がかかりやすく、通信速度が大きく低下する場合があります。
特に昼の休憩時間や夜間などでは、動画の再生が止まったり、ページの読み込みに時間がかかるなどの問題が起こることも少なくありません。
こうした速度低下は、仕事やリモート会議などで通信の安定性が求められる場面ではストレスの原因となります。
したがって、データ無制限という言葉だけに安心せず、実際に使いたい時間帯や場所での通信品質もチェックしておくことが大切です。
サポート体制の実態とその課題
楽天モバイルのサポート窓口は、電話やチャットを通じて利用できますが、必ずしもスムーズに繋がるとは限りません。
特に平日のお昼や夕方、月末月初といった混雑しやすい時間帯では、電話が繋がるまでに1時間以上かかることもあるようです。
チャットの場合も、AIによる自動応答からスタートするため、すぐにオペレーターと直接話せるわけではありません。
応対の品質についても、オペレーターによって対応の丁寧さや知識にばらつきがあるという意見が見られます。
このような状況では、緊急で対応が必要なトラブルが発生した際に、迅速な解決が難しい可能性があります。
したがって、サポート体制に高い期待を持つよりも、自分で情報を集めて対処する姿勢が求められるかもしれません。
トラブル時に頼れるサポートチャネルはあるか
サポートが繋がりにくいときに、他に頼れる手段があるのか気になる方も多いはずです。
楽天モバイルでは、公式サイトにあるFAQページが比較的充実しており、設定や契約に関する基本的な疑問はここで解決できることもあります。
加えて「my楽天モバイル」アプリからはチャットサポートへアクセスでき、オペレーターによる有人対応も受けられますが、順番待ちが発生することは少なくありません。
直接対面で相談したい場合は、全国に展開されている楽天モバイルショップの利用が候補となります。
ただし、店舗数が限られている上に来店予約が必要なケースもあるため、いつでも気軽に相談できるとは言いがたいです。
このように、サポート手段は複数あるものの、即時対応の面ではやや不安が残るため、事前に使い方を把握しておくことが安心につながります。
楽天モバイルでiPhoneを使うデメリットまとめ
楽天モバイルは、料金の安さやデータ無制限といったメリットが際立つ一方で、iPhoneとの相性やサポート体制、通信の安定性などに注意が必要な通信サービスです。
特にiPhoneユーザーは、Rakuten Linkの仕様制限やSMSの料金、古い端末の非対応など、使い方によっては不便を感じる場面があるかもしれません。
また、データ使用量に応じて料金が変動するため、自分で通信量を管理する習慣が求められます。
サポート面でも電話が繋がりにくい時間帯があり、自己解決力が問われる場面もあります。
ただし、通信エリアや使用環境が自分の生活スタイルと合えば、コストパフォーマンスに優れた選択肢となり得ます。
契約前には自身の使い方や優先順位を整理し、長所と短所のバランスを見極めることが大切です。