月額3,278円でデータ無制限と聞くと、楽天モバイルはとても魅力的に感じるかもしれません。
実際に乗り換えを検討している方の中には「こんなに安くて本当に使い放題なの?」と疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では「楽天モバイルで使い放題」と言われるサービスのデメリット、そのほかの注意点や見落とされがちなポイントまで分かりやすく解説していきます。
楽天モバイルの無制限使い放題はデメリットがある?
結論から言うと、データ無制限というのは本当の話です。
ですので、デメリットはないと思われるかもしれませんが、細かい部分においていくつかデメリットが存在しますので、知っておきましょう。
通信速度が突然低下する場合がある
楽天モバイルを使っていると、ある日突然インターネットの速度が著しく遅くなることがあります。
これは、特定の条件において自動的に通信速度が制御される場合があるためです。
その理由は、楽天モバイルが明確な上限を定めていない代わりに、ネットワークが混雑している時間帯や場所では一部のユーザーに対して通信速度を一時的に落とす「制御措置」を取っているためです。
これは全体の品質を保つために行われる措置ですが、ユーザーにとっては予想外の通信の遅延に繋がります。
たとえば、通勤時間帯やお昼の時間帯、あるいはイベント会場のように多くの人が一斉に通信を行う場面では、体感速度が一気に低下することがあります。
動画が途切れる、SNSの読み込みが遅くなるなど、日常の利用にも支障を感じることがあるでしょう。
つまり、楽天モバイルの「無制限」は、あくまでデータ容量の話であり、いつでも高速通信が保証されるという意味ではありません。
但し、通信速度制限というのは楽天モバイルだけではなく、ドコモなど他のキャリアも実施していることですので、そこまで心配になる必要はないでしょう。
快適な通信を重視する場合は、この点に留意しておく必要があります。
公平利用の名のもとに課される制限
楽天モバイルの使い放題プランには「公平な通信環境の提供」を目的とした制限が設けられている場合があります。
その背景には、一部のユーザーが短期間に大量のデータを消費することによって、ネットワーク全体に負荷がかかってしまうという懸念があります。
そのため、特定の条件下では一時的に速度を制限することで、全体のバランスを取るようにしているのです。
具体的には、どれだけのデータを使えば制限がかかるかは公式には明らかにされていません。
しかし、過去には「1日10GB以上使うと速度が落ちる」といった暗黙のルールが存在していたこともあり、現在も似たような運用が行われている可能性があります。
このため、大容量のデータ通信を行う人や、リモートワークなどで安定した通信を求める人にとっては、予期せぬ制限がストレスになることがあります。
表面上は「無制限」でも、その裏には通信品質を維持するための調整が行われていることを理解しておくことが大切です。
海外でのデータ通信は2GBまで
楽天モバイルを海外で利用する際には、国内とは異なるルールが適用されます。
最大のポイントは、高速通信が月に2GBまでという制限があることで、これが使い放題ではない言われる理由の一つでもあります。
海外でインターネットを使う際には、パートナーとなる現地通信会社の回線に接続されますが、無料で使えるデータ容量は月2GBまでと決められており、これを超過すると通信速度は最大128kbpsに制限されてしまいます。
128kbpsという速度は、地図アプリの読み込みすら難しく、SNSの画像表示にも時間がかかるほど低速です。
そのため、短期間の旅行であっても、動画視聴やテザリングなどを行うとすぐに上限に達する可能性があります。
この制限を知らずに利用すると、思うようにスマートフォンが使えず、現地での行動に支障が出ることも考えられます。
よって、海外で楽天モバイルを利用する予定がある方は、出発前に自分の使い方が2GB以内に収まるかを確認しておくことが重要です。
追加チャージのコストにも注意が必要
もし海外で2GBを使い切ってしまった場合、引き続き高速通信を利用したいのであれば、追加チャージを行う必要があります。
この際に注意すべきなのが、そのコストで楽天モバイルでは、海外でのデータ容量を追加する場合、1GBあたり500円の料金が発生します。
一見すると手頃に思えるかもしれませんが、長期滞在や仕事などで継続的に高速通信が必要な場合、何度も追加することになり、結果的に高額になる可能性があります。
例えば、月に10GBを使用したい場合は8GB分の追加が必要となり、4,000円の追加出費になります。
これにより、月額3,278円という国内利用時のコスト感覚からは大きく外れてしまいます。
しかも、チャージの手続きは「my 楽天モバイル」アプリを通じて行う必要があるため、現地でインターネット接続が不安定な場合には手間取ることもあります。
現地SIMやモバイルWi-Fiなど他の選択肢と比較したうえで、楽天モバイルを使い続けるかを判断することが賢明です。
屋内や地下で感じる電波の弱さ
楽天モバイルを利用していると、屋内や地下などの閉ざされた空間で「繋がりにくい」と感じる場面があります。
繋がりにくいのは一時的な不具合ではなく、楽天モバイルが利用している周波数帯に大きく関係しています。
その理由は、楽天モバイルが長らく高い周波数帯(1.7GHzなど)を中心に回線を展開していたためです。
この周波数帯は、直進性が高く高速通信には向いているものの、壁や床といった障害物に弱く、建物の中や地下に電波が届きづらい性質があります。
そのため、ショッピングモールの中や地下鉄のホームなど、日常的に人が集まる空間でも圏外や通信速度の低下が発生しやすいのです。
現在、楽天モバイルはプラチナバンドと呼ばれる低周波数帯の運用をスタートさせています。
このバンドは、屋内や地下でも電波が回り込みやすいため、今後改善が期待されます。
ただし、導入されたばかりで全国への普及には時間がかかるとされており、すぐに改善されるとは限りません。
したがって、普段から建物内でスマートフォンを多く使う人は、通信状況を事前に確認しておくことが重要です。
楽天リンクの通話品質にムラがある
楽天リンクを利用していると、通話が途切れたり、相手の声が聞こえにくくなることがあります。
楽天リンクは一般的な携帯電話の音声通話とは異なり、インターネットを使って音声データをやり取りするIP通話を採用しています。
この仕組みは、Wi-Fiやモバイル回線などの通信状況に大きく依存するため、電波が不安定な環境では音声が乱れることがあります。
特に建物の中や移動中など、通信状態が変化しやすい場面では影響を受けやすくなります。
さらに、相手側の環境や回線の状況にも左右されるため、こちらが安定した環境にいても通話品質が保証されるとは限りません。
実際、通話中にエコーがかかる、音が遅れて聞こえる、もしくは一方の声しか届かないといったケースもあり、ビジネスでの使用には向かないという声もあります。
そのため、無料通話という魅力はあるものの、安定した音声通話を求める方には、標準の電話アプリを利用した方が安心な場面も多いのが実情です。
標準アプリとの混在で操作がわかりづらい
Rakuten Linkアプリは、無料で通話できる利便性がある反面、スマートフォンの標準電話アプリとの併用に戸惑う人が少なくありません。
これは、通話履歴や発信方法が統一されていないことに起因します。
例えば、電話をかけようと連絡先を選んだ際に、Rakuten Linkを経由するつもりが間違えて標準の電話アプリから発信してしまうと、通話料が発生する仕組みになっています。
この違いが画面上でわかりにくく、注意をしていないと料金がかかってしまう点は非常に厄介です。
また、通話履歴がRakuten Linkと標準アプリでそれぞれ記録されるため、どちらで発信したかを確認するのが手間になります。
特に、番号だけで折り返したいときに、どちらのアプリを使えば無料になるのかが瞬時に判断しづらい場面もあります。
このように、操作の混乱を防ぐには、自分がいつどのアプリを使っているかを明確に把握し、意識して使い分ける必要があります。
使い方に慣れていない方にとっては、シンプルさよりも複雑さが目立ってしまうかもしれません。
サポートが悪い?電話やチャット対応の現状
楽天モバイルでは、困ったときに電話やチャットで相談できる窓口が用意されていますが、実際に利用しようとするとスムーズに対応を受けられないことが多々あります。
中でも、平日の昼間や月末などの混雑する時間帯では、電話がつながるまでに長時間待たされるという声が後を絶ちません。
その背景には、ユーザー数の増加に対してサポート人員の確保が追いついていないことがあると考えられます。
チャットサポートについても、オペレーターにつながるまで時間がかかったり、途中で応答が途絶えるといったトラブルが報告されています。
中には、やっと接続できたと思ったら定型文のような回答しか得られず、肝心の問題が解決しなかったというケースも見られます。
さらに、AIチャットボットも導入されていますが、複雑な内容や個別のケースに対応できる精度には限界があり、結局オペレーター対応に切り替える必要がある場合が多いようです。
その結果、ユーザーが何度も同じ問い合わせを繰り返す羽目になり、不満が蓄積されていきます。
このように、サポート窓口が用意されているだけでは不十分であり「つながるまでの待ち時間」や「回答の質」も含めて考えると、サポート体制に不安を感じる人が多いのも無理はないでしょう。
実店舗の少なさがもたらすサポート格差
オンラインでの対応が主流の楽天モバイルですが、実店舗の数が限られていることもサポートの不安要素の一つです。
特にスマートフォンの設定や契約内容の見直しなど、直接対面で相談したいと考えるユーザーにとっては、近くに店舗がないというのは大きな不便となります。
現在、楽天モバイルの店舗は全国に点在していますが、その数は大手キャリアに比べて圧倒的に少ないのが現状です。
そのため、都市部では一定のサポートが受けられても、地方在住の方は店舗までの距離が遠く、簡単な手続きでもわざわざ時間と交通費をかける必要が出てきます。
こうした実店舗の不足は、スマートフォンに不慣れな高齢者や、オンライン手続きに不安を感じる人にとって大きなハードルとなります。
また、トラブル発生時にはその場で即時対応してもらえないことが多く、他社と比べてサポート面での差を実感させられることもあるでしょう。
つまり、サポートの充実度はユーザーの安心感に直結しますが、楽天モバイルの場合は、店舗展開の遅れがその信頼感に影を落としていると言えます。
今後、利用者にとって身近で頼れる存在になっていくためには、オンラインとオフラインのバランスを見直す必要があるかもしれません。
Android端末の選択肢が少なすぎる問題
楽天モバイルを利用する際、多くの人が気にするのが端末のラインナップです。
特にAndroid端末に関しては、選べる機種が限られており、自分に合ったスマートフォンを見つけにくいという声が聞かれます。
その理由として、楽天モバイルは大手3キャリアと比べて提供している端末の数が少なく、最新モデルや人気のあるハイエンド機種が揃っていないことが挙げられます。
これは、メーカーとの契約規模や販売体制の違いが背景にあると考えられます。
中には、希望する機種が楽天モバイルでは取り扱われていないため、家電量販店や通販サイトでSIMフリー端末を別途購入する人もいます。
このように、好きなAndroid機種を自由に選びたい人にとっては不便に感じられる点があり、購入までの手間やコストが増すこともあります。
また、楽天回線との相性が完全には保証されない機種も存在するため、事前の確認や設定が必要になるケースもあるでしょう。
結果として、端末の自由度や選択肢の豊富さという点では、楽天モバイルは競合キャリアに劣る印象を持たれやすいのが現状です。
固定回線との連携や割引制度の乏しさ
通信費を抑える方法として、携帯回線と固定回線のセット割引は多くの人が活用している手段の一つです。
しかし楽天モバイルでは、このような連携による直接的な月額割引が用意されていない点がネックとなっています。
例えば、大手キャリアでは自社の光回線やホームルーターとの併用で毎月の料金が割引される仕組みが整っており、家族での契約や複数回線の利用において恩恵を受けやすくなっています。
一方、楽天モバイルには「楽天ひかり」などのサービスはあるものの、利用者が期待するような定額の値引きはなく、ポイント還元などにとどまっています。
そのため、通信費全体を見直したいと考えている家庭にとっては、楽天モバイルのサービス構成ではコスト削減の効果を十分に感じにくい可能性があります。
さらに、セット割がないことで、家計全体で通信契約を一本化したいというニーズに応えづらいという側面もあるでしょう。
こうした連携不足は、通信サービスをトータルでお得に使いたいと考える人にとって、選択肢を狭める要因となっているのが実情です。
ただ、割引はないのですが、その代わり基本料金は安いので、割引がなくてもそこまで問題ではないでしょう。
楽天モバイルで使い放題はメリットの方が大きい
楽天モバイルには多くのデメリットがあることは事実ですが、近年の改善によって利用価値が高まっている点も見逃せません。
ここでは、サービスの進化と使い勝手の良さについて具体的に紹介します。
昔とは全然違う!繋がりやすさは別物に
かつての楽天モバイルは「つながりにくい」「電波が弱い」といった評価が目立っていました。
前述の通り、確かに繋がりにくいようなエリアは一部ありますが、現在では、そうしたイメージが大きく変わってきています。
その背景には、通信エリアの拡大と新たな周波数帯の導入があります。
2023年10月に楽天モバイルはプラチナバンドを取得し、2024年6月から実際にサービス提供を開始しました。
このプラチナバンドは建物内や地下などでも電波が届きやすい特性があり、これまで課題とされていた「屋内での通信弱さ」を大きく改善する効果が期待されています。
もちろん、まだエリアは全国に広がりきっていませんが、主要都市から順次整備が進んでおり、実際に改善を感じるユーザーの声も増えてきました。
つまり、楽天モバイルは初期の印象とは異なり、通信品質が大きく見直されてきた今、利用を再検討する価値は十分にあると言えるでしょう。
さらに基地局も増えてきていることで、開業当初とは全く異なるサービスとなっているので、旧楽天モバイルユーザーの方は、一度使ってみると驚かれるかもしれません。
データ容量無制限なので料金を気にせず使える
楽天モバイルの最大の魅力のひとつは、月額3,278円でデータ通信が無制限に使えるという点です。
特に動画の視聴やオンラインゲーム、リモートワークなどで大量のデータを使用する人にとって、毎月の通信量を気にせず使えるのは非常に大きなメリットです。
この「無制限」という特徴は、使いすぎても追加料金が発生しないという安心感につながります。
他社のプランでは、一定の通信量を超えると自動的に速度制限がかかったり、高額な料金が請求されるケースもありますが、楽天モバイルなら月の使用量が100GBを超えても月額料金は変わりません。
もちろん、混雑時に速度が一時的に低下することはありますが、それを踏まえてもこのコストパフォーマンスは他にはなかなか見られないものです。
普段からスマートフォンを積極的に活用する人にとっては、経済的でストレスの少ない選択肢となるでしょう。
料金プランはひとつなので分かりやすい
楽天モバイルの魅力の一つは、シンプルな料金体系にあります。
他社のように複雑なプランが用意されているわけではなく、基本的には「Rakuten最強プラン」ひとつで完結します。
この料金プランは、使ったデータ量に応じて自動的に料金が決まる仕組みになっており、3GBまでは1,078円、20GBまでは2,178円、それ以上はどれだけ使っても3,278円という段階式です。
そのため、契約時にオプションを選んだり、細かいプラン内容を比較したりする必要がなく、初めて楽天モバイルを利用する人でもすぐに仕組みを理解できるでしょう。
さらに、自分の月ごとのデータ利用状況に合わせて自動的に最適な料金が適用されるため、わざわざプラン変更の手続きをする手間もかかりません。
こうしたシンプルさは、スマートフォン初心者や、複雑な契約が苦手な人にとって特に安心感を与えてくれます。
昔と比べ評判はかなり良くなっている
楽天モバイルに対する世間の評価は、サービス開始当初と比べて大きく変わってきています。
以前は厳しい意見が目立っていましたが、現在ではそうした声は少なくなり、良い評判が増えてきました。
その理由は、通信エリアの拡大やプラチナバンド導入による電波状況の改善に加えて、料金とサービス内容のバランスが非常に良いと感じる人が増えているためです。
月額3,278円でデータ無制限という価格設定は、他の大手キャリアと比較しても非常にコストパフォーマンスが高く、特に通信量の多いユーザーにとっては魅力的な選択肢となっています。
また、実際に楽天モバイルを使っているユーザーの中には、「体感的にはドコモやau、ソフトバンクと速度はほとんど変わらない」と感じている人もいます。
もちろん地域や環境によって差はあるものの、一般的な日常利用において不便を感じる場面は確実に減ってきているのが現状です。
このように、楽天モバイルは「安いけど使い物にならない」という時代を脱し「コスパが良く、普通に使えるキャリア」として認識されるようになりつつあります。
今後さらに通信環境が整えば、より多くの人が楽天モバイルを選ぶ時代が来るかもしれません。
楽天ポイントを使って支払い可能
楽天モバイルを利用するもう一つの大きなメリットは、楽天ポイントを毎月の携帯料金に充てられることです。
この仕組みを活用すれば、実質的な支払いをさらに抑えることが可能になります。
楽天市場や楽天カードなど、楽天グループのサービスを利用している人は、自然とポイントが貯まる仕組みになっています。
これらのポイントを使えば、月々の通信費の一部、もしくは場合によっては全額をポイントだけで支払うこともできるため、家計の負担を軽減できるのです。
特に、期間限定ポイントも支払いに使えるため、有効期限内に使い切れないポイントが無駄になるリスクも減らせます。
普段から楽天サービスを積極的に使っている人にとっては、ポイント活用によるコストメリットを最大限に引き出せる点は非常に魅力的です。
これにより、通信費の節約だけでなく、楽天経済圏全体でお得感を実感できるでしょう。
楽天モバイルで使い放題のデメリット!まとめ
楽天モバイルは月額3,278円でデータ使い放題という大きな魅力がありますが、利用にはいくつかの注意点があります。
まず、通信速度は常に安定しているわけではなく、混雑時や屋内・地下などでは繋がりにくいことがあります。
海外利用も2GBまでと制限があり、追加費用が発生する点は見落とせません。
また、通話アプリ「Rakuten Link」は品質にムラがあり、使いづらさを感じる場面もあります。
さらに、サポート体制やAndroid端末の少なさ、固定回線との連携不足といったサービス面の弱さも否めません。
加えて、キャンペーンの条件が複雑でポイントの使い道が限定されることもあるため、事前に内容をよく確認しておくことが重要です。
価格の安さだけで選ばず、自身の利用環境や目的に合っているかを見極めて契約を検討しましょう。