スマホをうっかり手から落としてしまった経験、誰にでも一度はあるのではないでしょうか。
一見、画面にヒビが入っていなければ「無事だった」と安心してしまいがちですが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか。
実は、スマホの内部には目に見えないダメージが潜んでいることもあり、それが原因で寿命を縮めてしまうこともあるのです。
この記事では、スマホを落とすことで本体にどのような影響があるのか、寿命に関わる故障のサインや見落としがちなリスク、そして万が一のときの対処法まで、わかりやすく解説していきます。
スマホを落としたら寿命が縮むのは本当?
スマホを落とした直後は問題がなさそうでも、実は見えないところで寿命が縮まっている場合があります。
ここではその理由を具体的に解説していきます。
見た目は無事…でも内部にダメージがある可能性
スマホを落としたとき、外装に傷がなかったとしても安心するのは早いかもしれません。
というのも、内部の精密機器は非常に繊細で、目に見えない部分にこそダメージが潜んでいるからです。
スマホ内部には基板やセンサー、バッテリーといった部品がぎっしり詰まっており、衝撃によりこれらの接合部に微細なヒビやズレが生じることがあります。
例えば、バッテリーのコネクタが少しズレただけでも、充電が不安定になったり、電源が突然落ちたりすることもあるのです。
このように、外見だけで判断せず、内部の損傷も疑うことが大切です。
故障が「あとから」やってくるケースも
スマホは落とした直後に異常がなければ大丈夫と思いがちですが、それは必ずしも正解ではありません。
なぜなら、落下による影響が時間差で現れることがあるからです。
スマホの内部部品は温度変化や振動により徐々に劣化が進むことがあり、初めは正常に作動していても、数日後や数週間後に不具合が発生するケースもあります。
例えば、液晶パネルが落下時の衝撃で少しだけズレていた場合、日常的な使用による熱や圧力によってそのズレが悪化し、ある日突然タッチ操作が効かなくなることがあります。
また、マザーボードに微細な亀裂があった場合には、特定のアプリだけが動作不良を起こすなど、症状が断続的に現れることもあります。
このような遅延的な故障は自覚しにくいため、スマホを落とした経験がある場合はしばらく注意深く様子を見ることが重要です。
落下が引き金となる性能劣化のサイン
スマホの落下によって、性能の劣化がじわじわと進行することがあります。
その主なサインとして現れるのが、バッテリーの持ちが悪くなる、処理速度が低下する、アプリの挙動が不安定になるといった症状です。
こうした変化は、内部の基板やチップのわずかな損傷に起因する場合が多く、特にバッテリー周辺に影響が出やすい傾向があります。
具体的には、同じ使用環境でも以前よりも本体が熱を持ちやすくなったり、充電中に異常な温度上昇を感じるようになったりします。
これは、落下の衝撃で冷却機能や通気性が損なわれたことによる影響かもしれません。
さらに悪化すると、アプリが強制終了する、電源が勝手に切れるなどのトラブルにもつながりかねません。
したがって、いつもと違うと感じたら早めに点検や相談を検討するのが望ましいでしょう。
どれくらいの高さから落下すると壊れる?
スマホは精密機器でありながら、日常的に手に持って使われることが多いため、うっかり落としてしまう場面も少なくありません。
特に注意が必要なのは、腰の高さ程度、つまりおおよそ1メートル以上からの落下です。
この程度の高さであっても、スマホの角から落ちるような衝撃が加われば、画面が割れるだけでなく、内部の基板やバッテリーにも影響が及ぶことがあります。
理由としては、スマホの構造が薄型化されており、衝撃を吸収する余地が少なくなっているためです。
また、落下する床の材質が硬ければ硬いほど、損傷のリスクはさらに高まります。
例えば、コンクリートやタイルの上に落とした場合、保護フィルムやケースがあっても完全に衝撃を防ぎきれるとは限りません。
つまり、高さよりも「どこに」「どの角度で」落ちるかが大きな要因となるため、たとえ1メートル未満の高さであっても油断は禁物です。
落とす回数が多いほど故障リスクも高い
スマホを一度落としただけでは壊れなかったという経験があるかもしれませんが、だからといって何度も落としてしまっては、その都度少しずつ内部にダメージが蓄積されていきます。
この蓄積がある程度を超えると、目に見える不具合や故障として表れる可能性が高くなるのです。
スマホのガラスや筐体は、実は小さなキズに弱く、繰り返しの衝撃によって微細なヒビが入りやすくなります。
このヒビが次の衝撃で広がりやすくなり、最終的には画面割れや内部の破損につながることも珍しくありません。
さらに、落下を繰り返すことで、内部の部品がわずかにズレたり、接続部分が緩んだりすることもあります。
こうした微妙なズレは、時間が経過することで症状が表れ、動作不良や再起動を繰り返すような不具合につながるケースもあります。
このように、落下の回数が増えるほど、スマホの信頼性や安定性は徐々に損なわれていくと考えてよいでしょう。
スマホを落とすことで良くあるトラブル
落下によってスマホに生じるトラブルは意外と多く、しかも見た目では分かりにくいものもあります。
特に多い3つのケースについて解説します。
やはり一番多いのは画面割れ
スマホを落とした際に最もよく見られるのが、ディスプレイの破損です。
特に、画面の端や角から落ちた場合に起きやすく、多くの人が経験しているトラブルのひとつと言えるでしょう。
なぜこれが多いかというと、スマホの画面は全面ガラスで覆われており、落下時に最も衝撃を受けやすい部位だからです。
また、衝撃吸収のためのガラスフィルムを貼っていたとしても、完全に割れを防げるわけではありません。
画面が割れてしまうと見た目が悪くなるだけでなく、タッチ操作に支障が出ることや、ヒビが広がってさらに深刻な故障へとつながる恐れもあります。
こうしたことから、落下防止アクセサリーや耐衝撃性の高いケースの使用が重要となってきます。
本体に傷が入ったり歪む場合も
スマホを落とすと、画面だけでなく本体そのものにもダメージが及ぶことがあります。
例えば、アルミやプラスチックでできているフレーム部分に打痕やキズができるのは一般的です。
ただそれ以上に問題なのは、強い衝撃によって筐体がわずかに歪んでしまうケースです。
このような歪みは見た目では分かりづらいものの、スマホの内部構造に影響を与える可能性があるため注意が必要です。
例えば、歪みによってパーツ同士の位置がずれ、結果的に接触不良や発熱の原因になることがあります。
一見すると単なる外装の問題に見えても、長期的に見れば性能面での不具合につながることがあるため、落下後は外装の状態をよく確認しておくことが大切です。
ボタンや基板の故障
落下によって起こる意外なトラブルとして、物理ボタンの故障があります。
スマホの電源ボタンや音量ボタンは本体の側面に配置されており、落下時に直接衝撃を受けやすい位置にあります。
このため、押しても反応しなかったり、陥没して元に戻らなくなったりすることがあります。
さらに深刻なのは、内部の電子基板が衝撃で損傷するケースです。
基板はスマホの中枢であり、通信・処理・電源などあらゆる機能に関わっています。
基板にクラックが入ったり、部品が外れたりすると、突然電源が入らなくなることや、再起動を繰り返すような症状が出る可能性もあります。
落下後すぐは問題がなくても、数日経ってから不具合が現れることもあるため、操作に違和感を覚えたときは早めに点検を受けると安心です。
スマホを落とした時に確認するチェックポイント
スマホを落としてしまった際は、表面上の無事に安心せず、いくつかの重要なポイントを丁寧に確認することが大切です。
中でも特にチェックしておきたい点を4つご紹介します。
画面やボタンなど外装に異常がないか目視チェック
まず最初に確認したいのは、スマホ本体の外装です。
見た目の破損は落下によるダメージを把握する手がかりになります。
画面にヒビや割れがないかを目で確認しつつ、本体の角やフレームに打痕がないかも見てみましょう。
また、ケースに入れていた場合でも中で衝撃を受けている可能性があるため、必ず一度ケースを外して確認してください。
特に注意したいのが、電源ボタンや音量ボタンの挙動です。
ボタンが陥没していないか、クリック感がなくなっていないかなど、軽く押して反応を確かめておきましょう。
これらの異常は、表面的には問題がないように見えても、内部にまで損傷が及んでいるサインである場合があります。
電源・充電・タッチ操作に不具合がないか試す
次に行いたいのは、基本的な動作の確認です。まずはスマホの電源が正常に入り、いつも通り起動するかどうかをチェックします。
起動後には、スムーズに画面操作ができるか、タッチ操作の反応に遅れがないかも注意しましょう。
部分的に反応しないエリアがある場合、落下によってタッチセンサーが損傷している可能性があります。
さらに、充電ケーブルを接続してみて、充電が開始されるかどうかを試してください。
充電の反応がない、もしくは途中で途切れるようであれば、コネクタ部分や内部の電源周りのパーツに異常があることも考えられます。
このようなチェックをすることで、目に見えない損傷にいち早く気付くことができます。
カメラ・マイク・スピーカーの機能検証も忘れずに
スマホの使用で欠かせないのが、カメラや音声機能です。
落下によってカメラレンズにヒビが入っていたり、内部の部品がズレたりすると、ピントが合わない、黒く映る、ブレがひどいといった症状が現れることがあります。
また、カメラアプリを起動したときにフリーズする場合も、内部に異常があるサインです。
マイクやスピーカーに関しては、通話や音楽再生を通して確認しましょう。
自分の声が相手に届かない、音がこもる、ノイズが混じるなどの違和感があれば、音響部品に不具合が生じている可能性があります。
これらのチェックは、日常的な使用に支障をきたさないためにも欠かせない工程です。
データが消えていないか確認する
最後に確認しておきたいのが、スマホ内のデータの状態です。
外装や操作に問題がなくても、内部の記憶装置に衝撃が加わっていると、保存されていた情報が破損してしまうことがあります。
特に写真や動画、連絡先、メモアプリの内容など、個人情報や思い出が詰まったデータが消えていないかを丁寧にチェックしてください。
アプリが起動しない、データの一部が開けない、表示が遅いといった場合には、データに異常が起きている可能性も考えられます。
このとき、クラウドやPCへのバックアップを取っていなかった場合は大きな損失になることがあります。
よって、落下の有無にかかわらず、普段からこまめにバックアップを取る習慣をつけておくことが重要です。
スマホを落とした時の対処法!修理と買い替えの判断基準
スマホに不具合が生じた場合、修理に出すべきか買い替えるべきか迷うこともありますので、判断の目安となるポイントをご紹介します。
端末代完済後の故障は買い替えの好機
スマホを長く使っていると、ある日突然電源が入らなくなったり、バッテリーの持ちが極端に悪くなったりすることがあります。
このような不調が起こったタイミングで、すでに端末の分割支払いが終了している場合は、買い替えを前向きに検討するのも一つの選択です。
その理由は、修理にかかる費用と新しいスマホへの買い替えコストの差が縮まってくるからです。
たとえば、画面修理やバッテリー交換だけで1万円を超えることもあり、それが複数箇所に及べば出費はさらに増えます。
しかも古い端末であれば、修理しても今後別のトラブルが起きるリスクもあるため、トータルコストを考えると新機種に切り替えた方が結果的に安心です。
このようなケースでは、あらかじめ最新モデルの価格やキャンペーン情報を調べておくと、スムーズに判断しやすくなります。
古いスマホは手放すのがおすすめ
もし落としたスマホが古いスマホなら、思い切っ買い替えた方がおすすめです。
理由としては、ソフトウェア面でも終わりを迎えることがあるからです。
中でも注意したいのが、OSアップデートの提供が打ち切られた場合です。
アップデートを受けられない古い機種では、新しいバージョンのアプリに対応できなくなったり、セキュリティの脆弱性が残ったままになったりする危険性があります。
その結果、日常的に使っていたアプリが突然使えなくなったり、動作が不安定になるケースも見受けられます。
例えば、LINEや銀行系アプリなどは定期的な更新が必要であり、対応OSの条件が厳しくなる傾向があります。
つまり、機能自体に問題がなくても、アップデートが止まった時点で実用性が低下し始めるというわけです。
よって、端末のソフトウェアサポート終了を迎えたときは、買い替えの合図として捉えるとよいでしょう。
データを守るなら正規店より第三者修理も選択肢に
スマホの修理を検討する際、多くの人が最初に思い浮かべるのは正規の販売店やメーカーサポートかもしれません。
ただし、正規店での修理は端末の初期化が前提となることが多く、内部のデータがすべて消去されてしまう場合があります。
このような状況では、バックアップが取れていなかった場合に大きな損失となることもあるため注意が必要です。
そこで検討したいのが、総務省登録の第三者修理業者です。
これらの業者では、状態によってはデータを消さずに修理を行ってくれるケースもあり、写真やアプリの情報を残したまま端末を復旧できる可能性があります。
また、正規店よりもスピーディーな対応が可能なことが多く、費用も比較的抑えられることがあります。
ただし、中には非認定業者もあるため、信頼できる店舗を見極めることが重要です。
データの保護を最優先したい方には、第三者修理という選択肢も十分に価値があると言えるでしょう。
重要!スマホを落とさない為の工夫
落としたことでトラブルが起きる前に、日頃の使い方を見直すことがとても大切です。
そこで、落下を未然に防ぐための具体的な工夫を紹介します。
歩きスマホはNG!落下リスクが大
街中で歩きながらスマホを操作する姿はよく見かけますが、この行動には思わぬ危険が潜んでいます。
歩行中は視線が不安定になりやすく、段差や障害物に気づくのが遅れてしまうため、バランスを崩した拍子にスマホを手から落としてしまうことがあるからです。
特に、駅の階段や交差点など人通りの多い場所では、他人とぶつかって落下させる可能性も高まります。
つまり、移動しながらスマホを操作すること自体が落下リスクを高めているということです。
このような状況を避けるには、立ち止まってから操作する意識を持つことが基本となります。
手が滑ることだけが原因ではないため、周囲の状況に気を配る習慣が重要です。
落下防止アクセサリーの活用法と選び方
スマホを物理的に落とさないようにするためには、落下防止用のアクセサリーを活用する方法があります。
たとえば、スマホの背面に貼り付けて使うリング型のホルダーや、指を通して保持できるストラップ型のアイテムは、手から滑り落ちるのを防ぐうえで非常に有効です。
ただし、どんなアイテムでも良いわけではありません。使用者の手のサイズやスマホの形状、使い方に合ったものを選ぶことが肝心です。
例えば、大型のスマホであれば、片手で操作することが多い人には複数の指を支えられるバンドタイプの方が安定しやすいかもしれません。
さらに、見た目のデザインや素材にも注目すると、自分に合ったものを長く使いやすくなります。
利便性と安全性の両方を考慮して、自分にとって最適なアクセサリーを選ぶことが大切です。
置き場所を工夫する
スマホを落とすのは操作中だけではありません。
意外と多いのが、置いていたスマホが滑り落ちたり、何かにぶつかって落ちてしまったりするケースです。
こうした事故は、日頃の置き場所を見直すことで防げる可能性があります。
たとえば、ベッドの枕元に無造作に置いていると、寝返りを打ったときに手や布団が当たり、気づかないうちにスマホが床に落ちていることがあります。
また、机の端に置いたまま作業していると、ちょっとした振動でずり落ちることもあるのです。
このような事態を避けるには、スマホを平らで安定した場所に置く習慣をつけることが効果的です。
滑り止めの付いたマットを敷くのもひとつの方法として有効です。
日常のちょっとした工夫だけでも、スマホを守るための大きな対策になります。
スマホを落とすと寿命が縮む?まとめ
スマホを落とすことは誰にでも起こりうるアクシデントですが、見た目に異常がなくても内部にはダメージが蓄積され、寿命を縮める原因となることがあります。
特に、画面割れや基板の故障、バッテリーの劣化などは落下後すぐに現れないケースも多く、時間が経ってから症状が出ることもあるため注意が必要です。
もし不具合が生じた際は、端末の状態や支払い状況、OSサポートの有無を踏まえて、修理か買い替えかを冷静に判断しましょう。
データを守るために、第三者修理店を選ぶという選択肢もあります。そして何より大切なのは、落とさないための工夫を日常に取り入れることです。
歩きスマホを控えたり、落下防止アクセサリーや安定した置き場所を意識するだけで、スマホを長く安全に使い続けることにつながります。